ネッコチップ工法Q&A

施工に関するQ&A

  • ネッコチップ工法の適用条件は?
  • 法面が長期的に安定であることを前提に、勾配が1:0.5より緩い法面であれば、切土法面、盛土法面、岩盤法面はもとより、肥料分や土壌の少ない法面など、広範囲な地質条件の法面に適用できます。
  • 材料の標準配合を教えてください。
  • 下表に標準配合を示します。
    使用材料名 数量 単位 備考
    (1)チップ材 0.5 3 伐採樹木を針状に粉砕
    (2)現地発生土 0.5 発生表土
    (3)団粒剤 3(6)※ kg 合成高分子系(乳白色稠液)
    (4)接合剤 4 酢酸ビニルエマルジョン(白色乳液)
    (5)肥料 3 化成肥料 8-8-8
    (6)肥料 2 緩効性肥料
    (7)種子 別途 種子配合計画書による
    (8)清水 別途 現地配合計画による
  • 法面への施工方法と施工範囲について教えてください。
  • ネッコチップ工法では施工条件に応じて以下の施工方式があります。
    1. 撒きだし方式
      ①ベースマシン:バックホウ  法面1段毎の施工
      ②ベースマシン:ロングアームバックホウ  法面2段毎の施工
      ③ベースマシン:クレーン  法高30m(50tクレーン使用時)
    2. ポンプ圧送方式
      法高:60m、総配管延長:200m以下
  • 日施工量は?
  • 生育基盤厚さが5cmの場合、撒きだし方式(ベースマシン:バックホウ)では330m2、 ポンプ圧送方式では190m2が標準施工量です。金網の有無、段取り替えや土工事の進捗状況などの要因によって施工効率は変化します。
  • 従来厚層基材吹付工と同じようにモルタルガンで施工できますか?
  • 材料として使うチップが長い(平均10cm)ため、詰まってしまいます。また、現地発生土や表土を使用するためモルタルガンでの吹付け方式では施工できません。
  • 植栽は可能ですか?
  • ネッコチップ工法により造成された生育基盤への植栽は、生育基盤の造成厚さ、植栽木の大きさや気象条件などに左右されますが、一般的に法面緑化に使用される樹種は、幼苗(ポット苗)であれば問題なく使用できます。
  • 造成した生育基盤の耐侵食性は十分ですか?
  • 針状に粉砕処理したチップ材を用いているため、生育基盤内でチップ材同士がからみ合い、補強効果を持っており、耐侵食性に優れた生育基盤が造成されます。また、現地発生土を団粒させているため、排水性が高く急勾配でも侵食されにくい土壌構造を作ります。
  • 流木の処理にも適用できますか?
  • 適用できます。ダム湖の流木をチップ化して、近くの湖畔自然公園内の外周路法面に適用した事例があります。

【引用文献】 
1)(財)先端建設技術センター:ネッコチップエ法 技術審査証明報告書 1999.3
2)(社)日本道路協会:道路土工 ~のり面工・斜面安定工指針~(1999.3)
3)(財)先端建設技術センター:Newネッコチップ工法 技術審査証明報告書 2005.3